そうか、もう君はいないのか

rikazo

2022年09月06日 11:31

9月の歌舞伎座に「秀山祭」が帰ってきました。
ネットニュースはもちろんですが、
初日はNHKのニュースでも話題に。
取り上げられることはとても嬉しいのだけど
あぁ、本当にもう吉右衛門さんはいらっしゃらないのだと
その度に、鼻の奥がツーンとしていまいます。

祖父でもあり継父でもある
初代吉右衛門の芸を継承するために、と
二代吉右衛門さんが始めた秀山祭。

初代の芸がそうであったように
なかなかツウ好みな演目が多くって
勘三郎さんの始めた平成中村座や
澤瀉屋一門のスーパー歌舞伎等の派手さや
エンターテインメント性には欠けていたので
もしかしたら集客や興行収入的には
苦しいものだったのかもしれません。

新しいモノを作り出すのも歌舞伎だと思うけど
古き良き伝統もしっかり継承すべき、
そういう吉右衛門さんの真面目さが
この秀山祭には色濃く出ていたように思います。

2006年に始まった秀山祭。
全部ではなかったですが、ほぼ観に行っていました。
だけど、コロナ禍を経て数年ぶりに復活した
今年の秀山祭は、チケットをとっていません。
観たいのはやまやまだから、
何度もチケット松竹のサイトをのぞこうとして
でも、やっぱりチケットをとれずにいます。

まだワタシは受け止め切れていないのかなぁ。



『中村吉右衛門 舞台に生きる』
(中村吉右衛門著/小学館)


Amazonで予約していたので
発売日に届いたコチラの1冊。
これも、まだページをめくることができず。



追悼の文字がまだ信じられません。

城山三郎さんの著書
『そうか、もう君はいないのか』
このタイトルが、まさに胸にしみます。

本日の満点度:☆☆☆☆☆/5

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