昨日、久々の大人買いした小説、早速読んでます。
やっぱり、仕事からの逃避行為に拍車がかかってるし(笑)。
睡眠時間を削って、お風呂タイムやごはん食べながらもせっせと
まず1冊目に選んだのはコレ。
『虚ろ舟 泣きの銀次参之章』
(宇江佐真理著/講談社文庫)
泣きの銀次シリーズ最終章です。
うーーーーん
正直言って、かなりモヤモヤしております。
これで、最終章なんだ・・・。
なんだかスッキリしない後味の悪い小説になっちゃったなぁ。
このシリーズ、結構とびとびに刊行されてるんだったかな。
最初のシリーズは、2000年出版。
主人公の銀次が、回を重ねるごとに一気に年を重ねてるのね。
何度も読み返す私にしては珍しく、このお話、あんまり頭に入っていないから
銀次以外の登場人物への思い入れが足りないのも楽しめなかったです。
斬られ権左のシリーズとも、頭の中で混ざってしまってるし。
もちろん、実生活でも虚構の世界でも、良いことばかりじゃないのは分かってる。
信じていた人に裏切られたり、ウソをつかれたり。
それでも信じてバカをみたり、信じてあげられなくて後悔したり。
それが人だってことも分かってる。
だけど、小説の中くらい、サッパリと人を信じる話を読みたかったなぁ。
いや、信じなくてもいいんだけどさ。
なんだろう、このモヤモヤとした後味の悪さ。
銀次の後悔がそのまんま、なんにも解決されないままに
こっちに委ねられての、最終章はないよなぁって思ったりしております。
とにかくスッキリしないんだよぉ
最近、宇江佐さんの作風、そういう方向が増えてきてる気がしますねぇ。
髪結い伊三次捕物余話シリーズも、
なんだかモヤモヤしていたり、ドロドロしていたり。
先の見えない暗い闇の中を歩いてる感じの読後感になることが増えてます。
しかも、虚ろ舟って~~

UFOのことなんだけど、出す必要あったかな?(笑)
昨日、本屋さんで新刊本コーナーをふらふらと眺めていたら。
北原亜以子さんの新刊本の帯に「
追悼」の文字。
不覚にも、お亡くなりになったことを、昨日まで知りませんでした
慶次郎縁側日記シリーズ、最終章を見届けたかったなぁ。
深川澪通り木戸番小屋シリーズも、いつか続きが読みたかった。
北川さんの作品にも、もちろん、意地悪な人も出てくるし、
改心しないどうしようもない悪人も出てきます。
だけど、登場人物たちには、作者の愛が感じられるんですよね。
哀しい気持にもなるけど、どこかに救いがあると言うのかなぁ。
宇江佐さんの作品も、そういうものが多いと思っていました。
それが、どうしたんだろう。
この頃の宇江佐作品には、登場人物への愛が感じられないものが多い。
あんなに慈しんできた主人公たちの性格や人物描写まで豹変させてるような・・・。
そりゃ、年をとると偏屈になることもあるし、
女性なんか更年期で性格が変わることもあるだろうけど。
なんだか小説の主人公たちに、作者が意地悪してるみたいです。
宇江佐さんは、北川さん亡き後、
名実ともに女流時代小説作家として後継者だと思うから。
この作風の変化はちょっと悲しいなぁ。
本日の満点度:☆☆/5