Y子さんとのイタリアンランチのあとは
いよいよ本日のメインイベント(笑)
これ、ご存じでしょうか??
じゃ~ん!
清浄歓喜団!!!
中国雑技団ではありません。
清浄歓喜団。
およそお菓子の名前とは思えない
ネーミングのコチラのお菓子。
なんと1000年以上の歴史があるんです。
大河ドラマの「平清盛」とか「鎌倉殿の13人」とか
平安から鎌倉時代を描いたドラマでも
貴族階級のオヤツのシーンなどに出てきます。
ドラマッ子、時代小説好きなワタクシ。
知識としては知っていましたが、
もちろん食べたことはなかったんです。
知ってると言ってもね、
ハクション大魔王に出てくる
あくびちゃん見たいカタチのお菓子。
その程度の知識でしたけど
実は先日、オジャマした
アトリエサンゴさんで
京都のお土産としていただきまして。
その日にも食べさせてもらったので
なんとまぁ、人生2度目の体験でした
その時に、もう1つあったものを
「ぜひお土産にどうぞ」といただいてしまって
せっかくなので、サンゴさんとも共通の友人でもある
Y子さんといただくことにしたのです。
(声をかけたらちょうどスケジュールもあったので)
ドラマとかでは、大きな高坏の器に
木の実やねじり棒みたいなお菓子と一緒に
こんもりと盛られているイメージなので
まずは、捧げ物感の強い器に盛って
お味の前に撮影をしばし楽しみました(笑)
黒に金の高級感漂う小箱。
ちょっと仏壇を想像させます(笑)
開けると中は朱色で、これまた高級感。
この朱色の色合いは、まさに神社!
同封の由来書も和紙でお高そう。
由来書によると
清浄歓喜団、略して「お団」というそう。
来年の大河ドラマは「光る君へ」。
紫式部が主人公だから
きっとこのお菓子が出てくるシーンもあるはず。
「小腹が空いた、お団をいただきましょう」
みたいな台詞があるかもですね(笑)
この清浄歓喜団。
唐から伝わった唐菓子(からくだもの)の1つで
七種の香を入れて包み、ごま油で揚げたもの。
金袋になぞらえたカタチと、
口の部分は8つに結ばれていて
それは八葉の蓮華を表しているそう。
とにかく、見ためも中身も、高貴で高価で、
縁起のよさげなお菓子なのです。
七種の香を入れた中身ですが
昔は栗や柿などの木の実を甘草やあまづら等
当時の甘みである薬草で味つけしたようですが
徳川中期以降には、小豆あんになったそう。
ちなみに「あまづら」ってのも
よく平安時代のオハナシには登場しますね。
確か紫式部のライバル(!?)
清少納言の書いた『枕草子』に
「削り氷に甘葛(あまずら)入れて~」って一説があったはず。
"上品なもの"のひとつではなかったかな。
かき氷の元祖とも言われています。
でも、あまづらってのがどの植物なのかは
実はまだ解明されていないようです。
(アマチャヅル=甘茶蔓のことかと思ってたけど)
ちなみに、の余談が長くなりました
ごま油で揚げた清浄歓喜団はカッチカチ。
ガリリと噛みつこうもんなら、
おそらく歯が折れると思われます。
由来書にあったとおり
底に指を入れるようにして割ろうと試みましたが
なかなか割れません。
Y子さんががんばってくれてようやく割れました。
平安貴族は、歯が丈夫だったのでしょうか。
箱の中の朱色の色合いにもあわせ
平安貴族っぽい(とワタシが思う)
朱色の塗り物の器にも乗せてみました。
で、肝心のお味です。
えっと・・・
「七種の香を入れて包み」の説明で
想像がついた方もいらっしゃると思いますが
まさにこれは匂い袋の香りです。
ごま油の香りもかすかにはしますが
それを凌駕する複雑なお香の香り。
1番強いのは、肉桂(にっき=シナモン)だけど
それだけじゃなく、なんとも複雑な、
でも高級そうな、懐かしいような香り。
「おばあちゃんちの箪笥のニオイ!」と
アトリエサンゴさんで初めて嗅いだときに
いただきものだというのに、
遠慮もなく言い放ってしまいましたが(笑)
まさにおばあちゃんの箪笥に焚きしめられた
樟脳のような香りがぷんぷんと辺りを漂い
昨今のよくできたお菓子に比べてしまえば
およそおいしいとは言えないのですが

(もらっておいて失礼だな、おい

)
サンゴさん達と食べたときは3分の1だったけど
今回は半分こで食べた量も多かったから
お香の香りがさらに高まっていたためか
香りがより強烈でした。
それはまさに、すし詰めのライブ会場で、
衣替えをしたばかりの着物を着たおばあちゃんと
袈裟を斜めがけしたお坊さんに挟まれて
ギューギューともみくちゃにされているがごとし!(笑)
なかなか猛烈な香りです。
口に含むと、さほどでもないんだけど。
いや、鼻腔を駆け抜けていく
おばあちゃんとお坊さんはいました
しかし、これが不思議なんですけど。
サンゴさんでいただいたときも
この日に食べた後もだったんですけど。
もう二度と食べなくてもいいかなって思ったのに(笑)
なんとなく、恋しくなるような感覚。
これが功徳というものでしょうか(イヤ、違う

)。
皮の部分は、肉桂(ニッキ)の香りが強く
八つ橋の硬い方(いや、それが八つ橋だから)、
あのほんのり甘いお煎餅に似ているかな。
柔らかくなるまでお口の中でころがしていないと
ただでさえ弱っているワタシの歯では
全く太刀打ちできませんでした
この清浄歓喜団。
(他にも作ってるところはあるようですが)
いただいたのは「
亀屋清永」さんのもの。
さらりと創業元和3年(1617年)と書いてあります。
京都の老舗の矜持ってヤツでしょうか。
由来書の中の一文。
「江戸時代中期」って書きそうなところを
「徳川中期」と書いてあったことに気づき
ちょっとだけ、むふふと思った次第であります
いやぁ、これ、自分では買わないだろうし
二度と食べる機会は無いと思うのです。
今回、本当に、サンゴさんたちのおかげで
貴重な体験をさせてもらいました
お二方、いつもありがとうございます!!
本日の満点度:☆☆☆☆☆/5